おりちお雑記(仮)

読書とスポーツと服選びと大学院。

ここまでストレートだからって何も偉くない

この夏は全然帰省しなかった。

単純に忙しいからっていうのもあるけど、地元にいると何もしなくなっちゃうからあまりいないように心がけている。

僕はもともと団体系の部活動に所属していたので、その時から付き合いのある友人の一人と会った。ほんとそれだけであとは親族関係のイベントをこなしただけ。

その友人と、大して美味しくもない居酒屋に行ってお話をした。なんだかんだ一年に一回しか会わないため、話はすっごく弾んだ。他の友達は何している、同級生は、彼女は、〜〜〜。もう色々お話しした。

そっか。彼とは大学院になって初めて会うのか。僕の地元から大学院に進学する人なんてそんなにいない。だからもうみんな就職して、こんなとこ就職しなきゃよかったとか、もっといい人生歩みたいなとかいっぱい愚痴を吐いてるらしい。少なくとも彼の周りはそうらしい。

そんな彼から見たら僕はヒーローらしい。「ただでさえ大学院にいく人なんて全然いないのに宮廷の院に自分の友達がいるなんて。」だとさ。親にも大学の部活の友達にも高校の同期にも自慢しまくってるらしい。なんだか照れくさい。

でも、まだ何も成し遂げていない。君が誇ってくれるほどの実績なんて持ち合わせてない。彼から僕の話を聞くたびにずっとそんなことを考えてた。

 

最近、アーティストに憧れる。綺麗な俳優やモデルもそう、作曲家やバンドだってそう、Youtuberだって。自分の個性を生かして色々な表現をしている彼ら、彼女らのことを心から尊敬している。ああ、自分もあの人みたいに美しくなりたいな。あの人みたいに面白くなりたいな。大学院に来てから前にも増してこんなこと考える機会が増えた気がする。

 

また話は変わるが、僕は生まれてから今まで、大きな失敗をしたことがない。英検や漢検を含めた様々な試験に落ちたことなんて一度もないし、友人関係で困ったこともないし、女性のことだってセックスのことだってそこまで困ったことなんてない。最近そんな自分が嫌だ。何にも特徴のない自分がいることを痛感してしまった。

 

友人との飲みでのラストオーダーが終わった後、「ここまでストレートだからって何も偉くないよ。」って彼に言った。彼はただの謙遜だと思ったのか、「それは今までストレートで輝かしい経歴を歩んで来た君だから言えることだよ。」って言葉をくれた。まあそうかもしれないなって思いながらまたたわいもない話に戻り、今回の飲みはここでお終いとなった。

なのに、解散した直後から、僕が彼に向けて言った「ここまでストレートだからって何も偉くない」って言葉が自分に強くのしかかってくるのを感じた。今でもこの言葉はのしかかっている。「アーティストに憧れている」「何にも特徴のない自分がいる」といった嫌な感情にトドメを刺すような言葉だった。

 

今までストレートに物事が進んできたからって何も偉くない。それは逆に、何か選択を誤って失敗したからってそれは悪いことじゃないってことを僕に気づかせてくれた。現に留年したって、浪人したって、どんな回り道したって、人生を精一杯楽しんでいる人は沢山いる。いつになったらそっちに行けるのかな。